「人見知り」、どう対応する?

冬はインフルエンザなどが気になって
なかなか行けなかった児童館などの遊び場へも
春になって暖かくなってくると
「行ってみようかな」という気持ちになる
保護者の方が多いのではないでしょうか。

今回はそんな遊び場でのお悩みの一つ
「人見知り」のお子さんへの対応について。

せっかく遊び場へ行ったのに…

いざ児童館や遊び場へ行ってみたものの
なかなか保護者の方から離れることができず
結局お友達と遊べなかった
という経験をされた方、
いらっしゃるかもしれません。

お子さんによっては
新しい環境や人が変わると
緊張して固まってしまったり
なかなか馴染めず…
というタイプの子がいます。

そういうとき
つい、そばにいる大人は
「楽しいんだから、行っておいでよ!」
と背中を押したくなりがち。

せっかく遊び場まで来たのに
親子で部屋の隅っこで遊ぶくらいなら
行かない方がいいのかな
というお悩みもよく聞きます。

「どうすればいいの!?」
と悩んでしまって
遊び場に行くのも億劫になってしまう方も
いらっしゃるのではないでしょうか。

子どもの心の中

お子さんにもよりますが
人見知りのお子さんは
警戒心が強かったり、緊張しやすかったり…
「ここは大丈夫」
と安心した気持ちをもてるまでに
時間をかけていくタイプの子も多いです。

なので、
遊び場に来た時、
お子さんの気持ちとしては

などなど
年齢にもよりますが
いろんな気持ち・不安で
ぐるぐるしているはずです。

そういったぐるぐるした気持ちが

このように
少しずつ解決していって
やがて「大丈夫!」となります。

どういう対応をすればいいの?

ここでは
児童館へ行ったときを例に
お話していきます。

児童館に着いて
もしお子さんが頑なに
お母さんのそばを離れなかったら
「ここでママと遊ぼうか♪」
お子さんの気持ちが落ち着く場所で
まずは親子で遊んでみてください。

少しずつ
お子さんが「ここはママと一緒といれる」
という安心した気持ちになって
少し緊張がほぐれてきたかな?
と思ったら
「探検してこよう」と誘って
児童館を一周してもいいかもしれませんね。

もしかしたら
そのとき「抱っこ」とせがむかもしれません。
緊張は最初よりほぐれているかもしれないけれど
まだ不安の気持ちが強いお子さんも多いです。
ですので
余裕があるときは
その気持ちを受け止めてみてくださいね。

見守る、というスタンス

探検していく中で
お子さんによっては
ちらちらと他のお子さんを見たり
興味を示す場がでてくるかもしれません。

そんなときはさりげなく
「行ってみる?」と誘ってみてください。
「イヤイヤ」
と断られるかもしれないですし
「ママと一緒なら」
と応じてくれるかもしれません。

応じてくれたのであれば
お子さんが興味をもった場所に
一緒に行ってみたり
そこで遊んでいる子の中に
さりげなく混ざったりしましょう。

ここでついやりがちなのが
「もう大丈夫!」と思って
お子さんに一人で
行かせようとしてしまうこと。

お子さんとしては
「ママも一緒。だからいく」
と思っていたのに
急に「ほら、行ってらっしゃい」
とされたら
予想外の展開に
「イヤイヤ」となりますよね。

だから、最初は
あまり無理はさせず
慣れてきたら見守るくらいのスタンスでいると
いいかと思います。

「見守る」というのも
立派な関わりの一つです。

誘いに応じてくれないときはどうしたらいい?

とはいっても
そんなにうまく誘いに応じてくれないことも
多いはず。

探検も「イヤイヤ」となり
お部屋の端っこで動きたくない
となるお子さんもきっといますよね。

そんなときは無理せず、
まずはその場所を親子で楽しむ
ということに気持ちを向けましょう。

そして
親子で遊んでほぐれてきたら
時々
「あ!あんなおもちゃがあるねえ」
「お歌うたって何が始まるんだろうね」
など
外に視線を向けられるような声かけ
してみてください。

ここでもポイントなのは
「だから行こう!」と無理にしないこと。
まずはお子さんが
「ママと自分」の世界の外をみる
その機会があれば十分です。

そしてもし興味をもって行きたそうだったら
探検に誘ってもいいでしょうし
そんな気分じゃなさそうなら
また親子でその場で遊び続けてもいいんです。

大切なのは「楽しかった」という経験

ついつい
いろんな経験をさせてあげたいと思ってしまうのですが
大切なのは
お子さんが「楽しかった」という経験
ができること。

知らない子・大人がたくさんいる場所
お家じゃない場所…etc
そういう場所で
「楽しかった!」と思えることが
大切です。

たとえその場で
他のお子さんと交流がなかったとしても
お子さんが「楽しかった」なら◎。

お子さんにとって
児童館や遊び場って
集団生活の練習になる、
第一歩目のような場所。

だから
「こういう場所は、大丈夫。楽しい」
という経験を積むことが
後の集団生活への不安を軽減させてあげることにも
繋がっていきます。

親子で遊んだだけであったとしても
その場で過ごせたら
それだけで十分、
集団の場を体験できているということになります。

そして
なかなか慣れないお子さんにとっては
「じゃあ、ここでママと遊んでいようか♪」
「ここで見てるだけでいいよ♪」
と言ってもらえるだけでも
気持ちが少し軽くなるはず。

環境にも注目

お子さんへの関わり方はもちろんなのですが
場所・規模によって
お子さんの反応はどうなのか、
というところにも
ぜひ注目してみてください。

小規模の方が慣れやすいのか。
むしろガヤガヤしてる方が慣れやすいのか。

小規模だったら大丈夫と思いがちですが
小規模だと視線が一人一人に集まりやすく
「注目される・みられる」ということに
敏感なお子さんは
逆に緊張しやすかったりもします。

そして場所によって
・狭い⇆広い
・天井が低い⇆高い
・明るい⇆薄暗い
・音楽がなっている⇆なっていない
…etc
環境は微妙に異なるもの。

細かいと感じられるかもしれませんが
お子さんがどんな場所だと心地よくて
どんな場所だと慣れにくいのか。
余裕があったら
そんな環境要因もみてみてくださいね。

おわりに

「人見知り」というと
乳幼児期は「泣いちゃう」「固まっちゃう」
など
どうしてもマイナス面ばかりが見えがちなのですが
人見知りのお子さんは
周りをよーくみていたり
観察力が鋭いお子さんが多いです。

年齢を重ねて、
人見知りをして緊張してしまうとき
「どうすればいいか」という方法を
少しずつ自分で身につけていったら
その観察力や警戒心は
強みにだってなるはず。

とはいえ
近くにいる保護者の方は
もどかしくなることもありますよね。

保護者の方自身が、
「人見知りはない」というタイプならなおさら
「楽しいのに!なんでダメなの?」
と思ってしまうかもしれません。

そんなときは
「わからない」「できない」を知るでも
少しお伝えしましたが
苦手なタイプ・できないことは
理解しにくいこともあるかもしれないけれど
「こういう状況が苦手なんだな」
と頭の片隅に置いておいてもらえたらと思います。

たくさんの関わり方を書きましたが
もちろん全部やる必要はないですし
無理はしなくて大丈夫。

思い出したときに
試してみてくださいね。