「発達障がい」という言葉の捉え方

こんにちは。
臨床発達心理士のChikaです。

今日は、
私自身の専門でもある「発達障がい」の
考え方・捉え方についてお伝えしたいと思います。

「発達障がい」って?

 

 
最近「発達障がい」という言葉は
一般的に触れることも多くなってきていると思います。

発達障がい・発達障害・発達凸凹…
いろんな言い方や表記がされますが
ここでは「発達障がい」と表記します。

そして
言い方や表記もですが
意味や捉え方も専門家によって様々です。

いろんな説明があるのですが
私自身の考えに近い説明が2つあるので
それをまずご紹介します。

1つ目は、
日本発達障害ネットワークJDDnetの説明。

2つ目は、
児童精神科医の田中康雄先生の言葉。

「普通」と「発達障がい」の境界線はどこ?

 

◻︎「個性」との違いは何?
◻︎「普通」とどこが違うの?

発達障がいの話になると
必ず出てくるこの質問。

正直、専門家でも境界線をひくことって
簡単なことではありません。

そして境界線はあるようでないような、
ぼんやりした部分でもあるのではないかとも
時々思います。

だからこそ私は
先ほどもご紹介した田中先生がおっしゃる
「発達障がいの特性は個性の延長線上にあって
決して特別なものではない」
という考え方が
しっくりきていたりもします。

これは
「発達障がいの人には特性がある」
のではなくて
いわゆる「普通」の中にも特性があって
「発達障がい」の中にも「普通」はある
ということ。

私は記事の中でよく
「それぞれの特性やタイプがある」
と書いていると思いますが
まさにそのこと。

よく見聞きして身近に感じやすいこれらも
タイプであり特性の一つ。

例えば
大雑把な人にとっては
多少散らかっていても「普通」のこと。
でも
几帳面な人にとってはそれは
「普通」ではなかったりする。

これらだって
「個性の延長線上」ですよね。
その延長線上に
「発達障がい」と言われる特性も乗っているんだよ
というのがこの考え方。

結局「発達障がい」の言葉の存在って?

 

ここまで書くと
じゃあ「発達障がい」って言葉は
なくてもいいんじゃないか、
とも思うかもしれません。

上記に例として出した
タイプや特性は
みんな なんとなく「あるある」
と認識していることでもあると思います。

ただ、特性によっては
「あるある」とまでの認識はされにくいものもあったり
少しの関わりの中だけでは
わかりにくいものもあったりします。

そういう特性をわかりやすくしたもの
医学的なグループ分けであり
「発達障がい」という言葉。

そうやって名前を付けることは
「レッテルを貼る」行為だ、
という意見もあるでしょう。

でも私は
「発達障がい」という診断や言葉は
子どもにレッテルを貼るためではないと考えています。

そうではなくて
子どもの生きづらさや困り感を和らげるため
子どもと支援を結びつけるために
「特性を本人と周りが共有する」役割
だと思うのです。

診断名や特性につけられている名称は
わかりにくく見えにくい特性や
本人が困っている特性を理解し
その部分をサポートするため
ある意味「ツール」の一つなのではないか
とも思います。

「知る」と見えることもある

 

「知る」と「理解する」については
以前のこの記事でもお伝えしましたが
特性を「知る」と
見えてくることがたくさんあります。

「どうしてこんな簡単なことができないの?」
「なんで、すぐ癇癪を起こすの?」
「急に泣くのはなんで?」
「他の子はできるのにうちの子はどうしてできないの?」

こういう
「なんで!?」「わからない」ということは
不安になったり
時にストレスにもなります。
子育てに限らず、
大人同士の人間関係もそうですよね。

でも
「この部分を理解するのが苦手だから」
「こういう場面の音が苦手」
など
原因や理由が少しでもわかると
対策ができたり、
心構えができたりもします
よね。

なので
「発達障がい」という言葉や説明は
特性をわかりやすく「知る」ことができるように
医学的にわかりやすく示されている
と考えるといいのではないかなと思います。

本人が何に困っていて、
どこに苦しんでいるのか

それを「知る」ことは
受け止め方や関わり方、
サポートの考えやアイディアにもつながっていくと思います。

おわりに

 

「正しい子育てって?」シリーズでも
書きましたが
今はいろんな情報があちこちにあります。

発達障がいに関することもそう。
育児雑誌や健診時に配布されるリーフレット、
インターネットにも
溢れるほどの情報がのっています。
発達に関するチェックリストもたくさんありますよね。

それが全て悪いわけではない。
その情報からつながっていくこともある。
けれど
保護者の方の不安を煽るような情報があるのも事実。

実際に相談で
「ネットにあるチェックリストをみたら全部当てはまったんです」
と不安でいっぱいにお話をされる保護者の方が
たくさんいらっしゃいます。

そのチェックリストを
私も時折調べてみるのですが
確かにチェックする項目ではあるのだけれど
その年齢の子どもだったら
多かれ少なかれ当てはまる内容だったりもします。

簡易的にわかりやすく
情報として載せているチェックリストだから
仕方ないのかもしれません。

でも当然ですが
医学的な診断のチェックリストは
1つ1つの項目に背景や意味が
込められています。

その部分なしでチェックしてしまうのは
怖いな、と思うのです。

私自身も、このHPで
子育てのこと・発達のことについて
発信していますし
今後は発達障がいのことについても
書いていく予定ですが
♦︎情報は受け手によって
受け止め方も理解の仕方も変わる
ということ
♦︎情報を発信するからには
「不安を煽るだけ」の情報にはならないように
ということ
を忘れないようにしたいと思っています。

発達障がいに関する考え方は
本当に人それぞれにあります。

今回お伝えしたことが「すべて」とか
「正しい」ということではなく
1つの考え方として
頭の片隅に置いておいてもらえたらなと思います。

関連記事

  1. 講演会「気持ちマネジメント」

  2. 「さあ!みんなで遊びましょう!」が苦手

  3. 8月5日開催 発達障がいって、なんだろう?〜基礎知識編〜

  4. 優しく「おしまい」って言ってるのに、ぎゃー!ってなります

  5. いたいのいたいの とんでいけ の魔法

  6. 「買って買って」、どうする?