「できていること」から見えること

こんにちは。
臨床発達心理士のChikaです。

先日、日本小児精神神経学会に参加してきました。
様々な講演や研究報告があったのですが
その中でも
保育士や幼稚園・小学校教諭など
お子さんと関わる職種において
大切な視点だな、と思うことがあったので
今日はそのことについて。

「できないこと」へのフォーカス


お子さんたちのことを考えていく上で
どうしても目がいきがちなのが
お子さんの「できていないところ」。

これはもしかしたら
できることが増えれば増えるほど
「これはできるのに、まだあれはできない」と
なることも多いのかもしれません。

できないことに注目することが悪いこと
と言いたいわけではありません。
それによってお子さんの困り感など、
見えてくるものもあるから。
でも
「できること」に注目するということも
同じくらい意識できたらいいなと思うのです。

できていることを把握する

今回参加した学会で
『「できていることを把握すること」が1つのスタートライン』
と、ある先生がおっしゃっていました。

これはつまり
「できないから、できるようにすればどうしたらいいか」
ということをベースにお子さんの支援や指導方法を考えがちだけれど
「どういう場面でどういうことだったらできているのかな」
ということに注目し
「できることを積み上げていく」
という視点をもつということ。

小学2年生の男の子。
落ち着きがなく、じっとしていることが苦手。
授業中の着席が難しい。

こういった場合
「座れないので、どうやったら着席ができるようになるか」ということから
考えがちですが
逆に、「どのような時だと着席できているのか?」という
お子さんが「できているとき」
と視点もプラスすると

「そういえば、この時間のときは座ってた」
「教室がこういう形になっている時は、一度は着席するかも」
「あれを出したときは、座った」

…etcみえてくるものがあったりします。

また、思い浮かべにくかったとしても
「お子さんができているとき」という場面を考えていく際に
授業以外の、休み時間・給食・掃除の時間・帰りの会…
思い浮かべる場面を広げてみて探していくと
ほんの小さな場面かもしれないけれど
でてくるのではないかなと思います。

できることから得られるヒント


「できているとき」という視点を意識して
みていくと
「あ、このときは集中できている」といった
今まで「できない」に隠れてしまっていた姿が
みえてくることもあります。

着席ができたときがたとえ一瞬だったとしても
どうしてそのときできたのか
という視点で考えていくと
その場面・環境・人・声かけ・お子さんの状態で
「この席だったときは、集中が長く続いた」ということがわかれば
・周りの席の子はどういうタイプの子だったのか
・その席から見える景色はどういう状況だったのか
…etc
「できている状況」から
今後の手立てのヒントが見つかる可能性があります。

おわりに

私自身も、個別相談やお子さんとの関わりは
「こういうことが困っている」という主訴から
スタートすることがほとんどなこともあり
「どういうことが得意?」
「どんなことができている?」という視点を
忘れないように、と意識しています。

そして
「できていること」にフォーカスするのは
お子さんに対してはもちろんなのですが
私たち自身に対してもとても大切なことだなとも感じています。
そのことはまた改めて。

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