「遊び場」って行かないとダメですか?

前回、人見知りへの対応の中で
児童館や遊び場を例に出しましたが
今回は「遊び場にいく」ことついてのお話。

問診票に時々でてくる質問

乳幼児健診を受けたことがある方の中には
見たことがある方が
いらっしゃるかもしれませんが
乳幼児健診の問診票に
「どこか、遊び場に行っていますか?」
という質問項目を
載せている地域が時々あります。

回答欄の「はい・いいえ」の後ろには
公園・児童館…などの選択肢。

私も相談の場面で
この質問をすることがあります。

そして時々お聞きする声があります。
それは
「どうして、保健師さんも先生もそんなこと聞くんですか?」
「あの…そういうところって行かなきゃいけないでしょうか?」
というもの。

なぜ聞くの?

そもそも
なぜそのようなことを聞くのか。

色々な理由があるかと思いますが
私自身は
♦︎遊び場などの情報を知っている?♦︎
♦︎他のお子さんと関わる機会がある?♦︎
という思いで
お聞きすることが多いです。

《近くの遊び場などの情報を知っている?》
遊び場の情報って
地域によっては
とてもわかりにくかったりするんですよね。

「遊び場に行っていない」
と答えた保護者の中には
「行きたいんだけど、どこにあるのかいまいちわからない」
「どこに行ったらいいのかわからない」
という思いを抱えた方もいらっしゃいます。

なので
その辺りのことをお聞きして
もし情報が見つけにくい場合は
地図や遊び場の一覧を一緒に見ながら
探していきます。

《他のお子さんと関わる場があるかな?》
これは
お子さんが家族以外の大人やお子さんと
関わる機会がどれくらいあるかな?
ということ。
家族の中での関わりはもちろん大事ですが
同年代のお子さんとの関わり合いは
いつもと違う刺激となり
発達を促すきっかけともなります。

行かなきゃダメですか?

では本題の
「遊び場に行かなきゃいけないのか」問題。

私は
保護者自身のタイプによって
無理のない範囲でいいと考えています。

「正しい」子育てって?(2)の中で
例として
おうち派のBさんと
外派のCさんのお話をしましたが
お子さんにもタイプがあるように
保護者の大人だってタイプは当然あります。

おうち派のタイプの人が
例えば毎日長時間無理をして
「遊びに出かけなきゃ」と頑張りすぎたら
それは大きなストレスとなってしまいます。

「今日は他のママとうまく話せるかな」
など周りの保護者との関係が気になる時も
あるかもしれません。

それがだんだん重荷となって
疲れてしまって、イライラしてきて
つい子どもに怒ってしまったりして…。

そんな風になったり
つらくなる日が増えてしまうのであれば
行かない日だってあってもいいと思います。

「行かなきゃダメ」ではありません。

大切なのは、保護者も「心地よい」と思えること

遊び場も小規模から大きなところまで様々です。
人がたくさんいるような児童館から
時間帯によっては人がまばらにしかいない公園まで。

場所を選ぶ際に
お子さんのタイプから考えるのも
大事なのですが
保護者自身が「心地よい」と思える場所
選ぶのも大切です。

毎日行くのか、週1回なのか
頻度もそれぞれ。

お子さんとご自身のペースに合わせて
色々試してみてください。

考え方を少しゆるめてみる

「なぜ聞くのか」の部分で書いたように
遊び場にいって他のお子さんと関わることで
いつもとは違う刺激をもらうことは
お子さんにとって大切なことです。

でも、その「他のお子さんとの関わり」は
児童館などの遊び場だけでしかできないことではないはず。

子育て中の昔からの友人のお子さんだったり
ご自身のご兄弟のお子さんだったり
親戚のお子さんだったり…

遊び場にいくことは苦手だったとしても
気の許せる人となら大丈夫、
という方もいるのではないでしょうか。

そこでもらう刺激ももちろんありますし
保護者自身がリラックスしている分
お子さんももっと楽しめるかもしれません。

なかなか近くに会える人がいない、という方は
プレ幼稚園や保育園などの園庭開放、
一時預かりや幼児教室など

上手に使ってみるのもおすすめです。
おうちではなかなか体験できない遊びや、
他のお子さんとの関わりがたくさんできる場所です。

「『遊び場』に行かないとダメ」
ではなく
「『遊び場』以外だとどんな場所がある?」
と考えてみてくださいね。

おわりに

今回のタイトルの私なりの答えは
「無理のない範囲で大丈夫」
です。

今日は元気だから
ちょっと行ってみようかなと
思えたら
遊び場に行ってみてもいいですし
のぞいてみるだけでもいいと思います。

今日は無理って思ったら
のんびりおうちにいたっていいんです。

・「できそう」と思える場所
・無理なく「今日は行けそう」という日
で大丈夫。

そして
おうち派が悪いわけでもありません。
タイプの違い、ただそれだけです。

いろんな考え方や答えがあるとは思いますが
私はお子さんだけでなく
「保護者自身」のことも
大切にしてもらいたいなという思いが
あるので
この答えになります。

「苦手だけど頑張らなくちゃ…」
と無理をしすぎるのではなく
「どういう風にだったらできそうかな」
という考え方もある、ということも
頭の片隅にしまっておいてもらえたら
と思います。