しつけアプリ、使ってもいいですか?

今日はこんなお悩み。

Gさん

2歳8ヶ月の男の子。
最近、我が強くなってきて言うことをきいてくれません。
私の声かけだけではどうしようもならないことが多いので
しつけアプリに頼ってしまいます。
怖いのもあってか、かなり効果があるのですが、
こういうのを使ってはダメですか?
アプリでしつけになりますか?

 愛用者も多い「しつけアプリ」 


今は「しつけアプリ」として
たくさんのものが開発されていますが
その中でも
「怖さ」で言うことをきかせる
という種類のアプリがありますよね。

リアルな怖さがある設定になっていたり
夢にでてきそうな怖い絵だったりで
お子さんへの効果が抜群といったもの。

たとえば
「言うこときかないから、鬼から電話がきたよ!」
「今からおうちにくるって!」
とアプリの画面を見せると
「怖い(泣)」となって、いうことを聞く。
といった感じ。

お子さんによっては効力をかなり発揮するので
愛用している方もよくお見かけします。

 効果はいつまで?


そんな感じで便利なアプリ。
ですが、1つ言えることは
効果がなくなるときが、残念ながらいつかやってくる
ということです。

架空の「恐怖」で効き目があった時期から
やがて、お子さんの成長とともに
「そうはいっても鬼が本当にくるわけではない」etc
という風にわかってくる時期が
くるかと思います。

恐怖でいうことを聞いたとしても…


そして、相談の中にある
「しつけになりますか?」という部分ですが
しつけアプリの恐怖効果で、
泣き止むかもしれませんし
今は言うことを聞いてくれて
「しつけになっている」風にみえるかもしれません。

でも、それはあくまで「怖いから」

とりあえず
「鬼がくるのが嫌だから」「怖いから」
そのときは言う事をきいていたとしても
そもそも「しつけ」として伝えたかったことが
本当の意味でお子さんに伝わっているのかとなると
どうでしょうか。

実際に
アプリを使ったときのお子さんの様子を
見かけたこともありますが
恐怖からの行動、といった感じで
この状況で本当に伝えたかったことが伝わるかというと
それは難しいのではないかな?と
感じます。

伝えることはエネルギーがいる


とはいえ、
どうしようもないときは
アプリに頼りたくなることもありますよね。

以前お伝えしたような「買って買って攻撃」
「ひっくり返ってどうしようもないとき」etc
といったような
お子さんのどうにもならない場面と向き合うのは
とてもエネルギーがいりますし
疲れているときやイライラしているときは
大人自身がまいってしまう。

それに
「これはやっちゃダメ」と伝えても
すぐに同じことをすることもあるので
何度もなんども根気強く伝えていかなきゃいけない場面も多いと思います。

「だけ」になりすぎない大切さ 


私は
「しつけアプリを使ってはダメ」とは思いません。

「どうしようもないとき」ってあると思いますし
使わざるを得ないときだってあるかもしれません。

ただ、使い方に少し気をつけてほしいなぁと思うのです。

なんでもそうですが、
1つのものに頼りすぎて依存しすぎてしまうと
「そのもの」が使えなくなったときに
困ってしまうのはその人自身です。

しつけアプリに頼りすぎてしまっていて
それが効果がなくなったときに
「この年齢に効き目があるアプリがもうないんです。どうすればいいでしょうか?」
途方に暮れる保護者の方に出会うことも時折あります。

「このしつけアプリがあれば大丈夫」だとしても
使えなくなったときはどうする?という部分
頭の片隅に置いておいてほしいな、と思います。

 おわりに 


子育て向けのアプリってたくさん開発されていますよね。
便利なものもたくさんありますし、
「なるほどなぁ」と感心するようなものを
相談で出会うお母さんたちに教えてもらうこともあります。

便利なものがたくさんある。
だからこそ
「上手に」利用してほしいな、と思っています。

今回の相談者さんのように、
「しつけアプリをつい使っちゃうんだけど…」
とモヤモヤしている方は
まずは
ご自身が元気なとき・エネルギーがあるときに
アプリを使わないで伝えてみる日を作ってみてもいいかもしれません。

アプリを使った日も、少し落ち着いてから
「もし、アプリが効果がなくなったとしたらどう伝えるだろう?」
ということを
時折考えてみてもいいかもしれません。

便利なしつけアプリを
「使う」「使わない」の2択で考えるというよりは
「どういう風に利用していくか」という部分に
時々向き合ってみていただけたらな、と思います。


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