同じ服しか着たがらない

今日はBさんのお悩み。

Bさん

2歳半の息子。
最近、お着替えの時
「くまちゃんのー!」と
泣いて他の服を拒否します。
くまが好きなのかな?と思って
くまがついているシャツを出すのですが着てくれません。
何が嫌なのだかよくわからず、
悩んでしまいます…。

 

 なぜその服?


お子さんが服にこだわる時、
単純に「好き」という理由も
もちろんあると思いますが
こだわり方がとても強い、という場合は
別の理由が隠されている可能性があります。

そんなときは
お子さんがいつも着たがる服の共通点は何か
まずは考えてみるのをおすすめします。

◻︎素材は?…綿100%?アクリル?
◻︎色・模様は?
◻︎襟ぐりは広い?狭い?
◻︎タグは外についてる?印刷?ぬいつけ?
◻︎丈はどれくらい?
◻︎ウエストのサイズ感は?
◻︎ぴったり系?ゆったり系?
◻︎年季がはいってくったりしてる?
◻︎長袖?半袖?
…etc

服の素材や形などに共通点があれば
もしかしたらそれが、お子さんにとっての
「こだわる理由」なのかもしれません。

 チクチク?ぴったり? 


感覚は人によって様々です。

お子さんの中には
感覚が過敏なタイプの子もいます。
こちらからしてみればとっても小さな違いでも
違和感や不快に感じたりします。

それが小さな不快ですむのか
耐えられないほどの大きな不快になっているのか
それはその子自身の感覚のタイプによって色々。

大人だって、洋服のタイプが
ぴたーっとしているものが好きな人もいれば
ゆるっとしているものが好きな人もいるはず。

たとえば、私はものすごく寒がりですが
冬でも襟ぐりが広めなものをきています。

周りから
「タートルネックとか暖かいの着たら?」
と言われることも多いのですが
基本的に着ません。

なぜなら、タートルネックや首元がつまった服は
私は苦しくて苦手だから。

でも、タートルネックが
「しっかり包まれてて安心する」という人も
いますよね。

こんな風に
大人は自分の「心地いい」がどれだか知っていて
かつ
自分で選ぶことができます。

けれど、お子さんはまだ
「僕は綿の素材で、タグは印刷で、襟ぐりがこんな感じのやつが好き」
というのをわかったり、選ぶことが難しい。

そして、自分が「何が不快だったか」という理由も
よくわかりません。

  お子さんの気持ち 


今回のお悩みのBさんのお子さんは
もしかしたら、
こんなことがあったのかもしれません。


カエルくんのシャツを着たら、
なんだかチクチクして嫌だった。
次に着たクマちゃんのシャツは
大丈夫だった。
その次に着た別のクマちゃんのシャツは
また嫌な感じだった。
.
なんでカエルくんのシャツが「嫌」なのかは
わからない。
ただ
「あの最初に着たクマちゃんのシャツは安心」
という感覚だけはある。
.
だから
クマちゃんのシャツ以外がでてくると
カエルくんのシャツはもちろんのこと
別の服がでてきても
「これはもしや、またチクチクするのでは」
と不安になって
「クマちゃんのがいいーーー!」となる。

合わせられる部分は合わせる


じゃあ、具体的にどうすればいいのか。

もし、お子さんの「これだったら大丈夫」に
合わせらてあげられるのであれば
不快にならない素材を選んであげてください。

「どうしてもダメ」という日用に
同じ服を用意してあげるのだって
ありだと思います。

素材が同じでも、
最初は別の服を着たがらないかもしれません。

でも
「この服も大丈夫だった」という経験を重ねる
少しずつ「クマちゃんシャツじゃないとー!」
というこだわりが、やわらいでくることもあります。

合わせられない部分もでてくるかと思います。
そういうときは、肌着を工夫したり
別のものでお子さんの気を紛らわせたり
「今日はくまちゃんは風邪をひいちゃったんだ」と
擬人化してお話してあげるのも1つ。

うまくいかない日もあれば、うまくいく日も
もちろんあるかと思います。
大人側はまずその「心づもり」をしておくこと。
そして
お子さんが崩れそうな日や
新しい服やあまり着させたことがない服を試す日は
お出かけなどの用事がなくて
お着替えに時間がかかってもいい日を選ぶのを
おすすめします。

なによりも
親子ともにストレスにならない方法を選ぶこと。

 おわりに  


今回は
「同じ服しか着たがらない」というこだわりと
感覚の快・不快、過敏さの可能性についてを例に
お伝えしました。

単純に「好き」という理由以外で
こんな理由が隠されている可能性もあるんだな
ということを頭の片隅においておいてもらえたらなと
思います。

(こだわりについての捉え方の記事はこちら